地域にエール!
手工芸の作る楽しさ 飾る喜び
- 群馬県 JAあがつま女性部(群馬県東吾妻町)
- 2024年7月
コンクール&“フリマ”で大盛況!
手工芸の作る楽しさ 飾る喜び
コロナ禍で始めた活動が大きなイベントへ。
女性部に楽しみとやりがいをもたらし地域交流の場にもなっています。
名産のラッパスイセンが、町を春色に染める四月上旬、群馬県東吾妻町のJAあがつま会席あさひ別館さつき亭で、女性部主催「手工芸コンクール」が開かれていました。
美しい刺しゅうを施したパッチワークキルト、着物をアップサイクルしたシャツやカバン、手編みのショールや帽子、飾り人形、木工製品など。女性部部員の手がけた手工芸品が、会場をずらりと埋め尽くします。
手工芸コンクールは、コロナ禍の外出制限がきっかけで令和二年春に始まりました。集まることが難しくても活動は続けたいと、手製の「布マスクコンクール」を開催。生地や刺しゅうなど、各自が工夫を凝らした布マスクを展示して、密にならないよう楽しみました。
「作るだけでなく人に見てもらうことで、楽しさとやりがいを感じたと大好評。こんなふうに趣味の手工芸作品も出展したいと、部員から声があがるようになって、手工芸コンクールへと発展しました」
そう話すのは、JAあがつま女性部部長の星野美知代さん(64)です。
JAあがつま女性部は、八支部百九十二人で活動。手工芸コンクールを始めるにあたり、女性部役員が部員たちに出展の依頼を重ねました。またイベントを認知してもらうため、JA広報誌で大々的にPR。そんな努力のかいもあり、昨年が約三百点、今年は約五百点もの作品が集まりました。
作品は大人気 審査後に販売も
コンクールでの審査の工夫やこだわりは、出展者名を表記しないことと優劣をつけないことだそう。審査員は作品のみで審査。一位や二位ではなく、理事長賞や女性部部長賞など、審査員が選ぶ賞としています。今年は二十八人が審査員となり、出展者の多くが受賞できるように心配りもしています。
さらに昨年からは、コンクール作品を会場で販売できるようにしました。午前中はコンクール、午後からはフリーマーケット。一石二鳥のイベントを展開しています。
「作品を譲ってほしいという人が多く、コンクール後は、だれでも参加できるフリーマーケットを開催しています。イチゴや花卉の生産者が手がける農産物も販売します」
と話すのは、ビーズ細工を出展した副部長の倉田とし子さん(67)。
フリーマーケットでは、ジャガイモや米が景品の輪投げゲームも。ふらりと訪れた地域の人が楽しめるアイデアを盛り込んでいます。地域に女性部の活動を伝えるいい機会にもなっています。
手工芸コンクールやフリーマーケットの今後について、星野さんは次のように語ってくれました。
「出展者をもっと増やしていきたい。地域の人へしっかりPRして、手工芸を好きな人が、女性部にも関心を持ってくれるようなイベントとして、長く続けていきたいです」
文=森 ゆきこ 写真=加藤熊三